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「モモちゃ〜ん、すごいの手に入れたよぉ」
「……おねえちゃんはいつもいつも人の部屋をノックもせずに……」
「ほらほら、みてみてっ!」
「ん? なによこの懐かしい感じのする
 ファンシーでポップな……ステッキ?」
「そうだよっ! 魔法のステッキなんだよっ!!」



おねえちゃん忘れてるっ!

その9

おねえちゃんが
魔法少女に大切なことを
忘れてるっ!



「……おねえちゃんいくつ? こんなおもちゃ買ってどうするの?」
「違うよ〜、本物だよ〜」
「バカ言わないでよ。本物なんてないわ。
 だいたいどうやって手に入れたって言うのよ?」
「ネット通販っ!」
「………」
「………」
「……なんか中途半端な説得力に一瞬納得しかけた自分がダメすぎ……」
「ね、本物でしょ〜?」
「だから全然理由になってないってばっ!
 だいたいそのステッキで何が出来るっていうのよ?」
「魔法少女になれるんだよ〜」
「おねえちゃん……そのステッキが例え本物だとしてもそれはムリだよ」
「なんで〜?」
「『魔法少女』っていうのは中学生が限界。
 それを越えて『魔法”少女”』なんて言ったら、
 大きいお友達に怒られるよ?
 おじゃまな女の子達だって中学生になっておわったじゃない」
「でもたいていのゲームで登場人物は18歳以上……」
「だめ! それは建前だからゲーム中は気にしちゃダメなのっ!
 言い訳の時以外それを言うのは御法度っ!」
「え〜」
「そういうことはよおく考えて慎重に、ね。
 ドリームはこわさないからドリームなのよ。
 で……そんなに本物だって言うのなら魔法の一つも使ってみなさいよ」
「うん……いっくよぉ〜、ロエリロ・ロエリロ・ハァハァハァーーッ!」
「!?」
「かんせえっ! まほうしょうじょ・まじろりつくもっ!」
「お……おねえちゃんが縮んだっ!?」
「どぉだあー」
「わ、わたしより背が低いっ! 見た感じどう見ても○学生っ!?」
「えっへ〜ん。すごいでしょ〜?」
「フリルひらひらで可愛い衣装……。
 それにちゃんとしゃべる言葉はオール平仮名っ!」
「ぶいっ!」
「お、おねえちゃんっ!」
「ちがうよ〜、まじかるつくもだよ〜」
「さっき別の名前言ってなかった?」
「え〜? そんなことないよ〜? それよりももちゃんしゃがんで〜。
 みあげるとつかれるんだよ〜」
「う、うんわかった……うわ、背、低い……かわいい……」
「うふふ〜」
「ね、ねえ? ちょっとくるっと回ってみて……」
「ほへ?」
「その服、うしろのほうどうなってるか見たいのっ!」
「うん、いいよ〜。えいっ、くるっとた〜ん」
「!」
「わ、せなかはおっきなりぼんがついてるんだ〜」
「……ぱんちゅ」
「え?」
「いまスカートめくれて見えたっ! ぱんちゅ、はき忘れてるよっ!」
「ぱ、ぱんちゅって……?」
「おねえちゃん……いえ、まじかるつくも!
 モモおねえちゃんがぱんちゅはかせてあげるっ!」
「も、ももちゃんがこわいっ! いつもとなんだかひとあじちがう!?」
「さあああ、まじかるつくもちゃ〜ん」
「こ、こないでっ!」
「そんなステッキ振り回しても……ほら」
「あ、とっちゃだめ〜、つくものすてっきとっちゃやだ〜」
「え〜い、ポキッと」
「!」
「あらあらこまった折れちゃった……魔法のステッキがなくなったら、
 魔法使えないわよね?」
「うあ……」
「もおも〜どれな〜い〜♪」
「ふええ……」
「あ、泣かないで泣かないで〜。だいじょうぶ。
 モモおねえちゃんがちゃああんとぱんちゅはかせてあげるからねぇっ!」
「い〜や〜」
「○学生の足じゃ……ほらっ!」
「きゃんっ!?」
「おそいから簡単に捕まえられるし、押し倒すのも簡単なのよ……!」
「ふわわ……」
「さあつくもちゃん……ぱんちゅ……ぱんちゅはきましょうね〜」
「い……いやーーーーーんっ!」
「!? こ、これはっ!?」
「え? あ、ああ〜んっ!」
「おねえちゃんの身体が大きくなっていくっ!?」
「ん! ん! んーーーーーっ!」
「!!!」
「……も、元に戻った……ステッキを折ると魔法がなくなっちゃんだ……」
「………」
「……モモちゃんひどいよっ! 変質者! 犯罪者!
 社会不適合者の人間のクズ!」
「おねえちゃん、ひどいこと言うのね……」
「モモちゃんがひどいことするからだよっ!」
「わたしはね、おねえちゃん……その言葉よりも……
 目の前でぐんぐん大きくなるおねえちゃんの胸がショックだった……!」
「………」
「止める間もなく、どんどんどんどん止めどなくっ!
 どうしようもなく大きくなっていく胸っ!
 あんまりよ……あんまりだわっ!
 このわたしの目の前でこんなひどい光景見せるなんてっ!」
「モ、モモちゃん……」
「負けない……わたし負けないっ! 負けるもんですかっ!
 この精神的苦痛を糧にしてっ!
 ぜったいおねえちゃんにパンツはかすっ!」
「お……おねえちゃんはっ! さっきの恐怖を胸にっ!
 ぜったいモモちゃんから逃げるっ!」
「おねえちゃんっ!」
「モモちゃんっ!」
「パンツはけえっ!!」
「い〜や〜ん〜!!」




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