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は〜とふるらぶこめでぃ
ほのぼのこがらちゃん
BBS掲載小ネタ

 

小ネタその20
3000HIT記念 「ホワイトデーに鳴く」

 


「さて、今日も学校終わりか……授業ってのはどうしてああ無闇
 に長く感じられるんだろうな、こがら」
「そ、そうね」
「さ、帰ろうか」
「う、うん」
「……どうしたんだ?」
「なななにが?」
「いつも俺の方から帰りを誘うと”なに図々しいこと言ってるの
 よっ!?”とか突っ込みが入るのに」
「そ、そうだったかしら?」
「それに何をいらついてるんだ?」
「あ、あたしのどこがいらついて見えるって言うのよっ?」
「朝からことある毎に足を踏みならしてるじゃないか」
「こここれは……タップのリズムを刻んでいるのよっ!」
「……おまえそんな趣味あったっけ?」
「さ、最近凝ってるのよっ!」
「それにしてはリズム感がないような気がするが」
「あんたには所詮この熱いビートは理解できないのっ!」
「……なんてな。焦らして悪かったな」
「な、なにがよっ?」
「今日はホワイトデーだもんな」
「そ、そんな日もあったかしら? でもあんなお菓子業界の陰謀
 に踊らされているようなとってつけたような記念日、あたしに
 は関係な……」
「はい、プレゼント」
「!」
「まあ、受け取ってくれよ」
「し、仕方ないわねぇ。あんたってばどうせ断ってもしつこく渡
 してくるんでしょ」
「まあな。だから諦めて受け取ってくれ」
「しょうがないわねぇ……ね? 開けていい?」
「どうぞ」
「何かすぐ開けるとすごく楽しみにしてたみたいだけど、そーゆ
 ーわけじゃないんだからね」
「わかってるよ」
「あんたってばちゃんと注意しないとすぐ勘違いするから……ん?
 」
「………」
「………」
「………」
「……なに……これ……?」
「見てわからないか?」
「本革製ね……何に使うものなの?」
「それはパンチンググローブだ」
「パンチ……?」
「いつも拳を振りかざしている武闘派のお前が、拳を痛めること
 がないように……俺からの心からのプレ……ぐふっ!?」
「……ありがとう」
「な、なぜ礼を言いながら殴る……?」
「とっても気に入ったさっそく使いまくる」
「ぐっ! ごっ! がはっ!? 待て、こがらっ!!」
「わあとっても使いやすいありがとう大事にする」
「棒読みでお礼言うのはやめろっ……ごふっ!?」
「ああ嬉しいなあこんな素敵なプレゼントもらえるなんてお礼は
 たっぷりしないといけないわがんばらなきゃ」
「ま、待てこがらっ! これは前振りのギャグだっ!」
「……ギャグ?」
「そうっ! 本当のプレゼントは別にあるっ!」
「……?」



「で、ここ?」
「そう、ここ」
「この駅前の”甘極亭”で、好きなもの食べほーだい?」
「いろいろ考えたけど、これが一番喜んでもらえるかなー、と」
「………」
「あ、あの、こがら?」
「………」
「ひょ、ひょっとして怒ってるのか? やっぱり食べ物で済ます
 って言うのは安易かも知れないけど……」
「グレートグランドゴージャスパフェ、通称”3Gパフェ”ひと
 つっ!」

「かしこまりました」

「……こがら?」
「あんたいい! サイコーッ!」
「え?」
「うゆ〜、嬉しいよぉ〜。あのパフェ食べたかったけど六千円も
 するからなかなか食べる機会なかったのよ〜」
「そ、そうか。それは良かったな。存分に食べてくれ」
「うゆ〜、うゆ〜、うゆ〜」
「おい?」
「おっ楽しみっ♪ おっ楽しみ〜♪」
「えと、俺も注文しとこうかな……」
「はやっく来っないかなっ♪ 来っないかなっ♪ 来っないかな
 〜♪」
「こがら、どうしたんだ……?」



「お待たせしました」


「うおでかいっ! バケツのような底なしにばかでかい容器に、
 これは……いったい何種類のパフェが含まれているんだ?」
「人呼んで”最強パフェ軍団”よっ!」
「訳が分からないぞ」
「はあああ、見てるだけでしあわせ……。
 アイスの深い黒のしあわせ〜。
 チョコの純白のしあわせ〜。
 フルーツの彩りのしあわせ〜。
 そして何よりっ! この暴力的なまでの量のしあわせっ!」
「………」
「さっ食べよっ! いっただきまーすっ!」
「お、おう」
「はむっ」
「………」
「………」
「………」
「!」
「どうしたこがらっ!?」
「……しあわせ……」
「?」
「しあわせぇっ!」
「おおっ!?」
「アイスの甘さのしあわせ〜。
 チョコの甘さのしあわせ〜。
 フルーツの甘さのしあわせ〜」
「………」
「パフェという名のしあわせが怒濤のごとく押し寄せてくる〜」
「………」
「ああっ! めくるめくしあわせがとまらないっ!」
「こがらが壊れた……」
「おいしいもの食べると、顔が”にゃ〜”ってなっちゃうわよね」
「にゃ〜?」
「にゃ〜」
「猫の鳴き声?」
「猫の鳴き声じゃない方の”にゃ〜”」
「にゃ〜?」
「にゃ〜〜♪」
「………」
「にゃ〜〜〜♪」
「……よくわからないけど……」
「にゃ〜〜♪ にゃ〜〜♪」
「……かわいい……」
「……それよりあんたなにしてんのよっ? 食べないの?」
「お、おう。俺のも来てたんだ。そっちのインパクトがあまりに
 強くて忘れるところだった」
「パフェはしあわせの固まりなのよ。
 しあわせはしあわせになるためにしあわせに味わわなきゃしあ
 わせになれないわよ」
「えと、よくわからないんだが」
「それにしても”エキセントリックパフェ”を頼むなんて、通ね」
「ああ。なんかハジけた名前なんで試しに頼んでみたんだが」
「実はあたしもまだ食べたことないのよね。……ね、一口ちょう
 だい」
「あ、ああ。いいけど」
「あ〜ん」
「?」
「あ〜ん」
「こがら?」
「なによぉ、はやくちょうだいよぉ」
「た、たべさせろってことなのか、俺に?」
「あたしのスプーンはあたしのパフェのものなのっ。他に使いた
 くないのっ」
「よくわからんが……まあいいや。ほら」
「はむっ……うゆ〜、おいしいよ〜」
「そうか? ならもう一口」
「はむっ……うゆゆ〜、しあわせだよ〜。にゃ〜〜♪」
「……俺も、しあわせだよ……」



「ああ、おいしかった〜」
「……まさかあの量を本当に一人で平らげてしまうとはな」
「だって、おいしんだもん」
「あのあとお代わりするとは思わなかった……おまえのその小さ
 な身体のどこにあれだけのパフェが消えたんだ……?
「甘いものは入るところが別次元だから、無限にはいるのよっ。
 ……それにぃ」
「それに?」
「おごりだったしっ!」
「おかげで親からの仕送り一週間前にして無一文だ……」
「え、そうなの?」
「まあいい。それだけの価値はあった。俺は後悔しない」
「……ねえ、ごはんないんだったら、お昼くらいならどうにかし
 てあげようか?」
「え?」
「あ、あたし最近お弁当作ろうかと思ってるんだけど……手間と
 しては一人も二人もあんまり変わんないでしょ? だから……」
「ほ、本当か?」
「で、でも一週間だけだからっ!」
「お、おうっ! 今日は最高の日だっ! ありがとうホワイトデ
 ーっ! ありがとう”甘極亭”っ! 俺はこの日の感動を7代
 先までも忘れないっ!」
「もうっ……相変わらず馬鹿ねぇ……」
「うおおおおおおおっ!」
「ほんっと……ばか……」



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