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は〜とふるらぶこめでぃ
ほのぼのこがらちゃん
BBS掲載小ネタ

小ネタその10
〜湯と煙と その2〜


「母さん、ただいま!」
「おかえり、こがら」
「ほら、早速買ってきたんだっ」
「温泉まんじゅう? 別に旅館でもお茶菓子で出るのに……」
「これはひと味違うのよっ!」
「チョコ温泉まんじゅう……? また甘そうなものを買ってきて
 ……」
「へへっ」
「それで……彼と一緒で、楽しかった?」
「え?」
「行く前からすごく楽しそうだし……良かったわね」
「も、もうっ! そんなんじゃなってばっ!」
「はいはい」
「お、温泉行って来るっ!」
「あらあら」



「さてさて、、温泉〜」
「楽しみだな」
「湯けむり〜、湯あたり〜」
「お前、一体なにが楽しみで行くんだ……?」
「……あれ?」
「ん?」
「あんた、どうしてあたしの隣をさも当たり前のように歩いてい
 るの?」
「いや、一緒に温泉に行こうと思って」
「なんでこんなタイミング良く……」
「俺が泊まっているのは隣の部屋だしな。すぐわかるよ」
「そ、そうか。隣なのよね……」
「ま、そんなわけで……行こうか?」
「うん」
「混浴へ」
「温泉へ」
「……なんかいま、お互いの言葉が食い違わなかった?」
「いや、そんなことはない。誤解なくお互いの意志の疎通が図れ
 てとても晴れやかな気分だ。
 そんなわけで、早く行こう混浴へっ」
「ちょっと待ってよっ! あたしは混浴に行くなんて言った覚え
 はないわよっ!!」
「いやまあ温泉といえば混浴に入るのがお約束だし……」
「な、なんであんたと一緒に温泉に浸からなくちゃいけないのよ
 っ!?」
「この温泉宿は一つの泉源から湯を引いている。したがって、グ
 ローバルな視点から言えば、旅館の中のどの浴場に入ろうと、
 同じ温泉に入っていることになるんだ。だからこれは結局同じ
 事なんだよ」
「同じじゃないっ!」
「いいじゃないか、減るものではなし」
「減るっ!」
「何が?」
「人としての尊厳がっ!」
「何ぃっ!?」
「………」
「………」
「どう? 参った?」
「参ったって……まず何を言わんとしているのかがよくわからな
 い。こがら、今の言葉どういう意味で言ったんだ?」
「実はあたしもよくわかんないけど……と、とにかくっ! 混浴
 なんて、絶対嫌よっ!」
「どうしてもか?」
「当たり前じゃない。温泉にはいるって事は、……は、裸になる
 のよ?」
「そうだな」
「恥ずかしいじゃないのっ!」
「小さい頃は一緒に入ったじゃないか」
「え?」
「二人でどろんこになってかえって……俺は恥ずかしくて嫌だっ
 たのに、”あたしが引きずり回したせいで汚れた。あたしが洗
 ったげる”とか言って、無理矢理風呂に連れ込んだじゃないか」
「そ、そんなこともあったかしら?」
「だから今度は俺が温泉に誘ったっていいだろう?」
「良くないっ!」
「と言いつつ既に混浴の前だ」
「はっ!? いつの間にっ!?」
「さ、入ろう」
「い、嫌っ! 絶対だめっ!!」
「そんなに嫌か?」
「嫌よっ!」
「裸になるのが嫌なら、水着でも買うか? 最近水着を着て入る
 人も珍しくないって言うし、近くを探せば売ってるだろう」
「そ、そこまでして一緒に入りたいの?」
「よしっ、じゃあ買ってくるからちょっと待っててくれ」
「ちょっと、本気?」
「当然だっ」
「や、やめなさいよっ。水着なら持って来てるし……」
「えっ?」
「!」
「持って……来てる?」
「い、いやあのそれは言葉のあやって言うか……」
「なんだ、こがらも初めから混浴に入るつもりだったんじゃない
 か」
「そ、そういうんじゃなくって、万が一のためって言うか、温水
 プールとか近くにあるかも知れないし……」
「よし、じゃあ取りに戻ろう。俺も実はこがらがいやがるといけ
 ないと思って自分の分は用意してあったんだ」
「えとあのだから備えあればうれしいなって言うかあるといいの
 があるって言うかそういう理由で決してあんたなんかと混浴に
 はいるためじゃないのは自明の理って言うか……」
「なんなら俺が一緒にとってきてやろうか」
「えっ!?」
「よし、行って来よう」
「ちょちょちょちょぉっと待ちなさいよっ!」
「なんだ?」
「あんたなんかに荷物漁られたくないわよっ! 自分でとってく
 るっ!!」
「わかった。じゃあ、10分後ここで待ち合わせよう」
「もう、仕方ないわね」
「じゃ、俺も準備してくる」
「うん……って、なんで一緒にはいることになってるのよっ!?」
「いやあ、楽しみだなあ」
「話を聞きなさいっ!」


続く

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